About Accord Euro-R(CL1)
アコード（以下トルネオも同じ）・ユーロRは、1997年に登場した6代目であるCF型のマイナーチェンジに合わせた追加モデルとして、2000年6月に発売されました。
ヨーロッパ仕様のアコードにはすでにタイプRが存在していたため、 日本仕様のアコードにもタイプRが追加されるという噂は以前からありましたが、実際に登場してみると、ネーミングは’タイプR’ではなく’ユーロR’となりました。
これまでのスポーツモデル・SiR-Tに対し、エンジンが2.0LのDOHC-VTEC・F20Bから2.2LのH22Aになり、専用のクロスレシオミッションが与えられました。
足廻りはボディ剛性を高めた上で、5穴16インチホイールを採用しブレーキ容量をアップ、車高は15mmダウンされスプリングレートアップ、専用にチューニングされたダンパーが与えられ、スタビライザー強化、そして各ブッシュ類の硬度アップが施されています。
内装はレカロシート、MOMOのステアリング、アルミシフトノブ、ホワイトメーターが採用され、外観は車幅1700mmをオーバーするホイールアーチモールを装着、フロント・サイド・リアには専用ロアスカートが装備されています。
ネーミングの’ユーロR’からわかるように、これまでのタイプRとは違うコンセプトで設計されています。
エンジンはリッター当り100psの高出力ながら低中域を犠牲にした超高回転型ではありませんし、足廻りも固いだけではない乗り心地と操縦性を両立させたしなやかなセッティングになっています。
なによりタイプRと違い、特別な軽量化はされておらず防音材、遮音材は残されています。
レカロシートもホールド重視のタイトなモデルではなく、乗降性も損わないコンフォートなモデルが採用されています。
高出力のエンジンを与えつつも足廻りはハード過ぎずしなやかに、そして静粛性も保ち長距離ツーリングも快適にこなせる車、それがユーロRなのだと言えるでしょう。
率直に言って、サーキット走行でのタイムを重視する人にはあまりお勧めできません。
たしかに高出力のエンジンと素晴らしい操縦性の足廻りを持ってはいますが、タイプRほど割り切っていないユーロRは重過ぎます。
しかしながら4ドアセダンでDOHC-VTECエンジンを堪能したい、時にはマニュアルシフトで山道を気持ちよく走りたい、乗り心地や遮音性も確保したい、という人にはベストマッチな車だと思います。
(2002.2.15)